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資産要件の必要性
一般労働者派遣事業を更新するためには、管轄の労働局に更新の申請書を提出する必要があります。その時に、財務的な内容についてもチェックされます。財務的な内容をクリアしていないと一般労働者派遣事業の更新をすることはできません。これは、派遣される労働者への賃金の未払い等を防止するために一定規模の資産を有している必要があるからと判断されます。
資産要件
資産要件を確認し、資産要件を満たしていない場合に会社がとれる方策を考えてみたいと思います。方策については、あくまでも財務数値を変動させるための方法であり、この手段以外にも対応策はいろいろあると思います。また、この対応策は例示ですので、実行する際には、公認会計士等の専門家に相談してください。
① 資産(繰延資産及び営業権を除く)の総額から負債の総額を控除した額(以下「基準資産額」という。)が2,000万円に当該事業主が一般労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること。
② ①の基準資産額が、負債の総額の7分の1以上であること。
③ 事業資金として自己名義の現金・預金の額が1,500万円に当該事業主が一般労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること
資産要件を満たしていない場合の対応
資産要件を満たしていない場合には、その後の月次決算や中間決算で資産要件を満たす必要があります。どのタイミングでの月次決算書で資産要件を満たす必要があるかは、以前の記事をご覧ください。それでは、資産要件をクリアするための方法を考えます。
基準資産額を満たしていない場合
基準資産を満たしていない場合ですが、以下の方法があります。
- 増資をする
- 役員借入金等の負債を免除してもらう
- 時価のある資産を売却して売却益をえる
- 簿外になっている役員保険を解約する
それぞの方法には、いろいろな論点がありますので留意して実行することが必要です。
負債基準を満たしていない場合
負債基準を満たしていない場合ですが、以下の方法があります。
- 増資をする
- 借入金等の負債を返済する。
基本的には、負債比率を減少させるためには、負債を減らす、基準資産額を増加させることにより負債比率が改善します。会社の意思決定だけでできるので取組やすいと思います。
現預金を満たしていない場合
現預金を満たしていない場合ですが、以下の方法があります。
- 増資をする
- 借入金を実行する
- 換金可能な資産を売却する
- 役員保険を解約する
現預金を増やすためには、現金を会社にいれることだけです。
- 増資の手続きに司法書士への手数料等の費用がかかる
- 登記完了までに時間がかかる
- 資本金が増加することにより税金が増加する可能性がある
不正に更新した場合の罰則
偽りその他不正の行為により一般労働者派遣事業の許可の有効期間の更新を受けた者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。(労働者派遣法第10条2項)
監査証明及び合意された手続実施結果報告書が必要な場合は、早急にお問い合わせ下さい。
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